リスボンにてWPMC2019が開催されました。

2019.11.24
WPMC2019が11月24日から27日までの4日間、リスボンのISCTE-IULで開催されました。
 詳細は、WPMC公式サイトWPMC-Home(英語版)をご覧ください。

WPMC2019開催を宣言し、司会進行を務めるISCTE-IULの Professor Francisco Cercas

 第22回となるWPMC2019が、11月24日から27日までの4日間の日程で、ポルトガル国のリスボンで開催されました。投稿論文数は日本、タイ、中国などアジアを中心に200件を超えました。IEEE Xploreに出版するためには採択率には厳しい基準があり、厳正な査読の結果、採択論文は120件程度となりました。プログラムは、、基調講演、一般セッション、特別セッションなどで構成され、大変有意義な研究集会になりました。また、WPMC創設の精神に基づき、参加登録費や学生論文賞など、次世代を担う若手研究者の意欲向上と期待を色濃く反映した国際研究集会となりました。

 また、今回は昨年度のWPMC運営委員会の決定により、GWSと統合後の初の開催になりましたが、幅広く研究開発とビジネスの橋渡しをする領域まで広げた議論を進めるプログラム構成となりました。さらに、統合により、学生および一般の優秀論文賞が3つから4つと増えました。

 【開催地:リスボン】

 ポルトガルは、欧州の中でも最も日本との友好関係が長い国で、カステラ、金平糖、かるた、合羽などポルトガルから伝えられたといわれる言葉も多く、日本人には非常に親しみのある国です。

 1543年には、ポルトガル人を乗せた中国船が種子島に漂着し,鉄砲(火縄銃)の技術が日本に伝わったことはよく知られています。また、その6年後には,ポルトガル国王の命でイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエル(スペイン出身)が鹿児島に上陸し,日本にキリスト教を伝えたことも教科書に出ているほど、私たちにはなじみにある国です。

 開催都市となった、リスボンには大航海時代に船の往来を監視した「ベレンの塔」、バスコ・ダ・ガマなど大航海時代を切り開いた偉人たちの「発見のモニュメント」、安全な航海を祈願し巨万の富をつぎ込んで建てられた「ジェロニモス修道院」、巨大地震にも倒壊を免れ、当時のイスラム支配の影響を残す「アルファマ地区」、カーネーション革命で「4月25日橋」と改名された橋など、ポルトガルノの歴史にかかわる観光スポットが多くあります。 

【開催会場:ISCTE-IUT大学】

 ISCTE-IULは、Instituto Superior de Ciências do Trabalho e da Empresa-Instituto Universitário de Lisboaの略称で、英文だと、 Superior Institute of Business and Labour Sciences-Institute University of Lisbonとなります。 

 ISCTE-IULは1972年に設立された公立大学で、その戦略的目的は、革新、品質、国際化、そして起業家文化の発展としているそうです。ビジネススクールなど複数のスクールおよび研究所からなり、約9,000人の学生が学部課程(46%)および大学院課程(54%)、450人の教師および220人の非教職員が所属しており、国内で最もダイナミックで革新的な大学の1つとされています。また、ISCTE-IULにはエグゼクティブ教育に特化した研究所、すなわちINDEG-IUL ISCTE Execuive Educationもあります。

 ISCTE-IULは、設立以来民間企業や公共および市民社会組織との複数のつながりを築くことに貢献してきている。 最も顕著な例の1つは、その管轄区域の分野で教育、大学院研究および研究および地域社会奉仕の分野で強力な公認の活動を採用している、今回の昼食会場になった、マネジメント開発研究所INDEG (The Institute for Management Development )や、起業家育成とイノベーションを目的としたセンターであるAUDAXがある。 

 また、今回のWPMC2019は、it (Instituto de Telecomunicações )もホスト機関となっています。itは、非営利の電気通信分野の研究機関であり、以下の9つの研究機関と連携し国内および国際レベルで基礎研究と応用研究に積極的に関わると同時に、大学院生と大学院生を受け入れて高等教育を実施しています。 。

写真:WPMC2019が開催されたISCTE-IUL のキャンパス入口とキャンパス、主会場およびWelcome Receptionと昼食会場になったINDEG-ISCTEビル。

【Welcome Reception】 

 11月24日(日曜日)の夕刻、キャンパス内INDEG-ISCTEビル内のカフェテリアでWElcome Receptionが開催されました。WPMC2018開催ホストであるチェンライのメイファールアン大学からの参加者など60名ほどが参加しました。

【Opening Ceremony】

 11月25日月曜日に、キャンパス内の施設にてWPMC2019のOpening Ceremonyが開催されました。 

  WPMC2019のGeneral Chairである、  ISCTE-IULのProfessor Francisco Cercasが開会を宣言して、司会進行を進め、,ホスト機関を代表してITのHonorary ChairsであるCarlos Salemaが歓迎の辞を述べました。その後、YRP研究開発推進協会の大森慎吾副会長、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)門脇直人理事、WPMC運営会議を代表してProfessor Ramjee Prasad (Aarhus University)が歓迎の挨拶を行いました。

写真:開会の主催者挨拶、歓迎の挨拶をする方々。

Honorary Chair Professor Carlos Salema, IT, Portugal

VIP
国立研究開発法人情報通信研究機構 門脇直人理事
大森慎吾 WPMC運営委員会共同議長、YRP研究開発推進協会副会長、YRP国際連携研究所代表理事
Professor Ramjee Prasad, Co-chair WPMC Steering Board,  Aarhus University

【Keynote Speach】

 Opening Ceremonyのあとは、3日間にわたりKeynoteセッション、一般セッション、特別セッションが行われ、活発な議論が交わされました。

Keynote Speakerは以下の方々でした。

1. Fumiyuki ADACHI、Professor, Tohoku University, Japan
2. Kwang-Cheng Chen, IEEE Fellow, Professor, University of South Florida, Tampa, Florida, USA
3.  Jelena Mišić
4. Vojislav B. Misic
5. Ryuji Kohno, Professor, Yokohama National University, Japan
6. Rui L. Aguiar, Professor, Instituto de Telecomunicações and Universidade de Aveiro, Aveiro, Portugal
7. Jorge Manuel Nunes Pereira, European Commission


【WPMC Steering Board Meeting (運営委員会議)】

 11月25日の午後5時から会場の一室でWPMC運営委員会議が開催されました。

参加者は、WPMC運営委員会議共同議長3名、運営委員、WPMC2017開催者、WPMC2018実行委員、TPC委員長、WPMC2019開催候補者(スリランカ、ポルトガル)、WPMC2020開催候補者(日本)などでした。

WPMC Steering Board Meeting 出席者
(Co-chair)

1.大森慎吾 YRP研究開発推進協会副会長、YRP国際連携研究所代表理事
2.Professor Ramjee Prasad, Aarhus University
3.(欠席)原田博司 京都大学教授

(Board Members)

4.浜口清  国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク総合研究センター長
5.安達文幸 東北大学教授
6.Professor Peter Lindgren, Aarhus University
7.Professor Fredric Harris, University of California San Diego
8.(欠席)Dr. Anand Raghawa Prasad, NEC Corporation, Japan
9Professor Uma S. Jha, University of California San Diego

(WPMC2018報告)

10. Dr. Worasak Rueangsirarak (Assistant Dean), Mae Fah Luang University, Thailand
11. Asst. Prof. Dr. PunnarumolTemdee (Lecturer), Mae Fah Luang University, Thailand
12. Dr. Nattapol Aunsri (Lecturer), Mae Fah Luang University, Thailand
13. Dr. Chayapol Kamyod (Lecturer), Mae Fah Luang University, Thailand

(WPMC2019現状報告)

17. Professor Fernando J. Velez, IT & UBI, Portugal
18. Professor Pedro Sebastião, IT & ISCTE-IUL
19. Dr. Ivo, Portugal

(WPMC2020進捗報告)

20 . 田野哲 岡山大学教授  (WPMC2021開催進捗報告)
21. Kasun Hemachandra, Sri Lanka
22. Tharaka Samarasinghe, Sri Lanka

(WPMC2023立候補  デンマーク)
(WPMC2024立候補 米国フロリダ)

(WPMC運営委員会事務局)
23.小山泰  NICT横須賀管理グループ
24.神村美保 YRP研究開発推進協会
25.板野哲 
26.内田典子

 主な議題は、以下の通りです。

【報告事項】

(1)WPMC2018報告(昨年開催国タイ Mae Fah Luan University)
   Dr. Worasak Rueangsirarak (Assistant Dean), より最終報告が行われ、報告書が提出された。

(2)WPMC2019開催状況報告(ポルトガル ISCTER-IUL)
   TPC委員長Professor Fernando J. Velez, IT & UBI, Portugalより投稿・採択論文数、参加登録者数等  が報告された。

(3)WPMC2020開催地進捗プレゼンテーション
   岡山大学田野哲教授より準備状況の報告が行われた。

(4)WPMC2021開催立進捗状況説明
   Kasun Hemachandra, Sri Lankaより準備状況の報告が行われた。

【審議・決定事項】

(5)WPMC2022開催地決定
(6)WPMC2023開催地決定
(7)WPMC Bylawの修正、WPMC公式WEBサイトの開始

   WPMCとGWS統合に伴う修正を行い、了承された。WPMC-HomeのWEB開始についても了承された。

WPMC運営委員会の様子



【Award Banquet】

 26日(火曜)の夕刻には、WPMCの最も重要な行事の一つである学生および一般優秀論文を表彰するAward Banquetがリスボン中心部にあるコメルシオ広場に面したビール博物館レストランにて開催されました。レストランの2階はビール博物館になっていて、1階がビールレストランです。早速、運ばれてきたビールを飲みながら、歓談しながら会食が始まりました。

 食事が一段落したのち、優秀論文の表彰式が行われ、一般論文4件、学生論文4件がTPC委員長より発表され、WPMC2019実行委員会、NICT、YRPおよびCGCの4者よりAwardが贈呈されました。

授章式のあとは、有名なポルトガルの民族歌謡で、ファド(fado)とは運命とか宿命と言った意味だそうです。ギターの伴奏とともに男性と女性歌手が声量豊かに歌いました。歌詞はわかりませんでしたが、刹那さが伝わるようなまさに日本の”怨歌”とも言えるような哀愁をおびた調べでした。

Award Banquetの会場風景。

Best Paper Awardが一般4名および学生4名に授与された。

会場ではポルトガルの民族民謡でるファドが歌われました。


【投稿論文数、参加者数など】

 運営委員会において、WPMC2018 TPC委員長よりセッション構成、投稿論文数、採択論文数、参加登録者数、優秀論文賞選考方法などの報告がされた。論文採択はIEEEの基準に準拠して厳しく査読され、採択率は50%となっている。参加登録者数は約150名であった。


【スナップ写真】